内視鏡とは
当院では、食道や胃、十二指腸などを観察する上部消化管内視鏡(胃カメラ)と、大腸を観察する下部消化管内視鏡(大腸カメラ)を行っています。どちらの検査も眠っている間にさせていただきますので、不安や苦痛がありません。
炎症やがんをはじめとする腫瘍性病変、ヘリコバクターピロリ菌感染の診断などを行います。
必要であればその場でポリープの切除を日帰りで行います。
当院の内視鏡実績
令和4年1月1日~12月31日の1年間の内視鏡件数及び、検査の結果診断された主な疾患は以下の通りです。
内視鏡検査 | 886件 |
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上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) | 591件 |
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ) | 295件 |
1年間で886件の内視鏡検査(胃カメラ591件、大腸カメラ295件)を実施し、12例のがん症例がみられました。胃潰瘍や潰瘍性大腸炎など良性の疾患も含めると、45例に何らかの疾患が認められました。
今後も苦痛のない安全な内視鏡検査を受けて頂けるよう、日々精進して参ります。
令和4年に内視鏡検査で診断された疾患
- 胃がん 7例 (進行がん4例、早期がん3例)
- ファーター乳頭部腺腫 1例
- 好酸球性胃腸炎 1例
- 胃潰瘍 7例
- 十二指腸潰瘍 3例
- 胃粘膜下腫瘍 3例
- 食道カンジダ症 9例
- 大腸がん 4例 (進行がん3例、早期がん1例)
- 直腸がん 1例 (早期がん)
- 潰瘍性大腸炎 6例
- 直腸カルチノイド 2例
- 膠原線維性大腸炎1例
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
胃カメラとは
胃カメラは、カメラを口または鼻から挿入し、先端についている超小型のカメラで明るい光を照らしながら、食道、胃、十二指腸の粘膜の表面を検査していきます。この検査により、食道・胃のポリープやがん、炎症やヘリコバクターピロリ感染症などを調べることができます。当クリニックでは、口から挿入する経口内視鏡検査、鼻から挿入する経鼻内視鏡検査ともに対応しておりますので、お好みでお選びいただきます。
以下のような方は、胃カメラを受けましょう
- みぞおちの周辺が痛む方
- 胃の不快感・胸やけ・喉または胸のつかえ感がある方
- 吐き気・嘔吐・吐血の症状がある
- 黒い便が出た
- 貧血を指摘された
- 顔色が悪いと言われる
- 動悸、全身倦怠感などがある
- 体重の急激な減少がある
- 食欲不振が続いている
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を繰り返している
- 塩分を多くとる傾向にある
- 40歳以上の方
胃カメラで早期発見が可能な病気
逆流性食道炎、胃炎(急性・慢性)、胃ポリープ、十二指腸潰瘍、ヘリコバクターピロリ感染症、食道がん、食道ポリープ、胃潰瘍、胃がん、十二指腸がん など
胃カメラ検査の流れ
胃カメラは挿入する場所(鼻か口)によって手順が異なります。経鼻内視鏡と経口内視鏡の基本的な流れを紹介していきます。
経鼻内視鏡検査の流れ
- 予約
- 胃カメラ検査の予約を入れます。
※事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。 - 検査前日
- 夕食は摂っていただき、21時以降は絶食でお願いします。水分は、検査当日の1時間前まで可能です。
- 検査当日
-
- 1.問診検査を行うにあたり、内服薬や現在かかっている病気などをチェックします。
- 2.白い液体の薬(消泡剤)を飲みます
胃の中の泡を消して胃内をきれいにし、観察しやすくします。 - 3.胃カメラを挿入する方の鼻を選択鼻翼を片側ずつ押さえて鼻呼吸をし、鼻の通りの良い方を確認して、どちらの鼻から胃カメラを挿入するかを選びます。
- 4.鼻の通りをよくする薬(血管収縮剤)を両方の鼻腔に噴霧します。
- 5.数回に分けて鼻腔に麻酔をします ※麻酔の方法や回数、のどにも麻酔を行うかどうかは、施設によって異なります。
- 6.柔らかいチューブを挿入し、鼻の通りを確認します。
鼻腔の痛みを抑え、胃カメラの通過を滑らかにするためです。
※鎮静剤をご希望の方はこの時点でうとうとしている状態です。 - 7.左側を下にしてベッドに横になり、検査開始検査後に休憩して頂いた後に、画像をお見せしながら結果をご説明します。
生検(組織を採取して病理検査をすること)をした場合の結果は後日になります。
経口内視鏡検査の流れ
- 予約
- 胃カメラ検査の予約を入れます。
※事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。 - 検査当日
-
- 1.問診検査を行うにあたり、内服薬や現在かかっている病気などをチェックします。
- 2.上着を脱ぎ、メガネや入れ歯等ははずす
- 3.白い液体の薬(消泡剤)を飲みます
- 4.のどの麻酔薬をしばらくのどにためた後、ゆっくりと飲み干します
- 5.左側を下にしてベッドに横になるマウスピースをくわえ、検査が始まります。
※鎮静剤をご希望の方はこの時点でうとうとしている状態です。
検査後に休憩して頂いた後に、画像をお見せしながら結果をご説明します。
生検(小さい組織を採取して、顕微鏡などで詳しく調べること)の結果は後日になります。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸カメラとは
大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体・小腸の一部を観察する検査です。
ポリープやがんなどの疑わしい部位が見つかった場合は、その場でポリープを切除したり、生検(小さい組織を採取して、顕微鏡などで詳しく調べること)を行います。
便潜血検査は、仮に病変があっても必ず陽性に出るわけではありませんので、40歳以上になったら一度は大腸カメラを受けましょう。
大腸カメラの利点
• 大腸全体を直接観察することができる点
• ポリープなどの発見時に、その場で治療や生検(組織を採取して、顕微鏡などで詳しく調べること)が行える点
以下のような方は、大腸カメラを受けましょう
- 血便が出た
- 便通異常(便秘・下痢・便が細くなった)がある
- 腹痛やお腹が張る感じがする
- 貧血を指摘された
- 顔色が悪いと言われる
- 動悸、全身倦怠感などがある
- 急激な体重の減少がある
- 食欲不振が続いている
- 便潜血反応で「陽性」と出た
- 大腸ポリープや大腸がんを治療した経験がある
- 身内に大腸がんの方がいる
- 40歳以上になった。 など
大腸カメラでの検査・診断が有効とされる主な疾患
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
- 大腸憩室症(腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状に飛び出した状態)
- 虚血性腸炎(大腸の血流障害によって大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じ、突然の腹痛や下痢、下血をきたす疾患) など
大腸カメラ検査の流れ
- 予約
- 大腸カメラ検査の予約を入れていただきます。
- 検査前日
- 検査前日 夕食は消化の良いものを摂っていただきます。夕食後は絶食でお願いします。水分は、検査前まで可能です。
- 検査当日朝
- 大腸をきれいにするために、下剤を数回に分けて飲んでいただきます。
お家で飲むのが不安な方は当院の専用個室で飲んで頂けます -
- 1.検査用の服に着替えて頂きます。
- 2.問診検査を行うにあたり、内服薬や現在かかっている病気などをチェックします。
- 3.肛門から内視鏡を挿入し検査開始※鎮静剤をご希望の方はこの時点でうとうとしている状態です。
当院では、大腸ポリープの日帰り切除を行っています。
大腸ポリープの多くは日帰りで切除可能です。(大きさや形によっては入院治療が必要となるケースがあります。その際は、連携先の医療機関をご紹介いたします。) 生理食塩水の注入の際やポリープを切除するときは痛みなどは全くありません。